フィギュアAIとは?人型ロボットに1000億円の資金が集まる理由

アマゾン創設者のジェフ・ベゾス氏、エヌビディアやマイクロソフト、OpenAIといったメガテック企業が今こぞって出資している企業があります。

それが「フィギュアAI」と呼ばれる「ヒト型ロボット」を開発している会社です。

ヒト型ロボットと聞くと、ネコ型ロボットの「ドラえもん」を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。

ドラえもんのようにひみつ道具は使えないのですが、「まるで人間」のように動き、人のために働いてくれるロボットをフィギュアAIは作っています。

2月24日時点でフィギュアAIへの出資額は約1000億円になり、企業の評価額も3000億円という世界から大きな期待を寄せられているユニコーン企業です。

AI(人工知能)を世界に普及させた大手テック企業からなぜこれほどまでの評価を受けているのか。そもそもフィギュアAIはどんな企業なのか。この記事で説明していきます。

フィギュアAIとは

フィギュアAIとは、2022年にブレット・アドコック氏によって創設された「ヒト型ロボット」を開発するアメリカの企業です。

フィギュアAIが定義する「ヒト型ロボット」とは、「人の指示を受けなくてもロボット自身が考え、学び、仕事を自律的に行うことができるロボット」のことを指します。

将来、ヒト型ロボットが普及することによって、世界の労働力不足問題を解決することをミッションとしているようです。

創設者であるアドコック氏はシリアル・アントレプレナーで、今までに数々の事業を生み出してきました。

Vettery(ベッテリー)と呼ばれるジョブマッチングサービス、Archer Aviation(アーチャーアビエーション)という航空機ビジネスなど、テクノロジーに関わる事業に20年間携わってきたようです。

その経験から、「汎用ヒューマノイド」と呼ばれる日常生活でも使われるロボットを作ることが人類に対してプラスになると確信し、フィギュアAIを立ち上げました。

世界にはまだまだ、人間の手作業によって行われている負担の大きな業務や危険な作業があり、それらの仕事をロボットが担うことで、人々の生活がより豊かにすることをゴールとして掲げているのです。

なぜ創業2年のベンチャー企業に1000億円もの資金が集まるのか

「なぜ創業2年のベンチャー企業に1000億円もの資金が集まるのか」

この質問に一言で答えるなら、「ブルーカラー(肉体労働者)への価値が高まっているから」だと私は考えます。

ChatGPTやGeminiをはじめとする生成AIサービスが世界に普及し、デスクワークの仕事の負担はかなり減りました。

市場調査などのリサーチをするのときにもAIに質問することができ、資料を作る際にもAIがドラフトを作って人間がその編集を行う、そんな効率化された一連の流れが出来上がりつつあります。

しかし、依然としてブルーカラーの仕事はAIによる代替が利きません。AIは工場で小回りがきく荷物運びの作業ができませんし、複雑な機械の操作を人間ほど上手くすることができません。

着々とロボットによる作業の自動化が進んではいるものの、プログラマーやコンサルタントのデスクワークがAIによって大きく効率化されたようには上手く進んでいません。

その理由は、肉体労働における人間のパフォーマンスは高く、人間の動きを再現する技術力は未だ発展途中にあるからです。

現在、世界的にブルーカラーの人材不足が大きな問題になっています。アメリカだけでも700万もの倉庫関係や運送、小売に携わる仕事があるといわれており、離職率も高いままです。

このに問題に切り込んでいるのがフィギュアAIなのです。

フィギュアAIの製品の中でも特に注目されているのが「Figure 01」というヒト型ロボットで、人間の代わりになるロボットと言われています。

身長170センチメートル、体重60キログラム、最大積載量20キログラムという、あたかも実在する「人間」のような性能を兼ね備えています。

このFigure 01は電気で動き、駆動時間は5時間、秒速1.2メートルで動くロボットなのですが、そのスペックの高さから、今後さまざまな産業への活用が期待されています。

コーヒーの淹れ方を覚えるヒト型ロボット

アマゾン・ドット・コムの創業者、ジェフ・ベゾス氏はフィギュアAIに230億円もの出資を行いました。

特にアマゾンは倉庫作業を自動化することを目標に掲げており、今までにも数多くのロボットを導入してきています。

荷物を倉庫の棚から下ろすことのできる二足歩行のロボットや、物を目標地点まで運び届けるロボット、最近では配達に使われるドローンまでもが脚光を浴びています。

そんなロボットによる自動化を進めるアマゾンが、フィギュアAIのヒト型ロボットに大きな期待を抱いていることは明白です。

フィギュアAIの「Figure 01」は、コーヒーの淹れ方という高度な技を学習しています。

コーヒーカップを置いて、カプセルをコーヒーメーカーに入れる、そして最後にボタンを適切な秒数押すという日常生活で人間が行っていることをできるようになりました。

Figure 01による一連の動作はYoutubeでも公開されています。

人間にしたら大したことのないことでも、ロボットができるというのは凄いことだと思い舞う。Figure 01は学習することによって出来ることの幅が広がるので、どんどんと人間に近くなっていきます。

いずれアマゾンで倉庫では人が働くことはなくなり、ロボットだけが働いているという状況は近い将来に起きうることでしょう。

そんな未来こそがジェフ・ベゾス氏が描いている世界なのです。

ヒト型ロボットは「箱」でありAIという「中身」が入る

オープンAI、エヌビディア、マイクロソフトもフィギュアAIに投資を行っていますが、これらの企業に共通することは「AI(人工知能)」を主軸においてビジネスをしている点です。

フィギュアAIはヒト型ロボットを開発する企業でありますが、今後AIを活用してさらに出来ることの幅は広がることでしょう。

現状として、Figure 01にはロボットの”目”としてカメラが搭載されており、周りの環境を認識して行動ができます。

そのロボットに口がついて人間と会話をするようになるのも時間の問題です。

会話するためのシステムには、OpenAIが開発しているChatGPTのAIモデルが使われるでしょうし、AIの処理に活用されるのはエヌビディア製のGPUになるでしょう。

オープンAI、エヌビディア、マイクロソフトは人の生活に大きな影響をあたえるハードを持っていないので、フィギュアAIがその3社の弱点を補っているのも3、000億円の時価総額がついている理由の1つと考えられます。

いずれにせよ、フィギュアAIが開発を勧めている「ヒト型ロボット」と「AI」が組み合わさればかつてない大きなイノベーションが生まれるのは間違いありません。

そのような期待からフィギュアAIには1000億円の出資が集まり、フィギュアAIの評価額が4000億円という規模になったのだと考えられます。

参考文献

Figure AI

・人型ロボットのフィギュアAI、エヌビディアやMSから6.75億ドル調達

・Humanoid robot startup Figure AI valued at $2.6 billion as Bezos, OpenAI, Nvidia join funding

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