AI進化で将棋が消える?藤井聡太ブームから将棋の未来を考察
将棋といえば藤井聡太さんというぐらい有名になりましたね。
将棋の競技人口や知名度向上にこれほど貢献した方もいないと思います。羽生善治さんと並ぶ二大レジェンドであることは間違いないでしょう。
しかし、ふと思うのですが、藤井聡太さんという将棋界のスーパーヒーローがもし現れなければ今頃将棋はどうなっていたのでしょう?
もし、将棋を娯楽というカテゴリーに含めるならば、昨今はアニメ、ゲーム、動画、SNSなどあまりにも多くの競合がいます。
藤井聡太さんのおかげで将棋のメディア露出は明らかに増えましたが、逆に彼がいなければ、ここまでのブームはなかったわけです。藤井聡太さんの影響がなければ、多くの子供が将棋を始めるきっかけにもならななかったでしょう。
さらに、一番の難題はAIの登場です。
すでに将棋界においてもAIの実力は人間を凌駕しています。まだAIに勝てることもありますが、AIは疲れませんし、人間と違って下手なミスをしません。おやつタイムも必要ありません。
そしてなにより、人間が賢くなるほどAIはそこから学び、さらに進化するという、絶対的な能力を持っています。
今私たちが一つだけ確実に言えることは「人間はいつか必ずAIに将棋で勝てなくなる」ということです。
ではそうなった世界で、人はこれまで通り将棋に価値を見出すのでしょうか?数々の娯楽の競合がある中で、あえて将棋を選ぶのでしょうか?
先に結論となりますが、私は将棋が消えるどころか、AI発展により意外にも盛り上がるのではないかと考えています。
一つ目の理由は、AI発展により、棋士自身がさらに強くなるためです。
藤井聡太さんは自身の対局練習にAIをフル活用していることで有名ですが、AIがなければ彼ほどのスーパースターが誕生することはなかったでしょう。
いつかはAIに負けることが確定しているものの、AIの進化によって人間が引っ張られて強くなることは確実に起きています。
特に今のような完全にAIに負けてはいないものの、AIに鍛えられたスーパースターが誕生するという、“AI進化のはざま世代”には面白い時期です。
これからもAIに鍛えられた若手の棋士が続々誕生し、将棋界を盛り上げるでしょう。
そして、二つ目の理由は、人は機械との優劣よりも、“人同士の優劣で尊敬の念を抱く”と思うからです。
これはどういうことかと言いますと、人は機械に勝った負けたということはあまり気にしておらず、人同士の勝負に勝ったか負けたかが大事だということです。
例えばですが、数字の計算をするときに、手で計算するよりも電卓やパソコンに計算させた方がより早く正確です。一方、学校では未だに、百マス計算の正当数や解答時間で競い合っています。
また、インターネットで検索すれば歴史や地理の暗記も必要ないわけですが、未だに受験や資格では暗記が基本です。
では、なぜ機械ではなく、こうした暗記や計算といった人間自身の実力で能力を測るのか?
それは単純に、人間同士の優劣でその人のポテンシャルや才能を評価するからです。その能力が高い人ほど尊敬されます。
これは将棋にも同じことが言えるのではないでしょうか?
AIに棋士は勝てないものの、棋士同士の戦いで強いものは相変わらず尊敬される。そのような世界になると思います。
さらに、その棋士たちはAIによってさらに強くなった者同士の戦いになりますから、きっと将棋自体のレベルが飛躍的に向上するでしょう。
このように私は、AIが発展しても将棋が衰退するどころかむしろ人気になるのではないかと考えています。
AIがどれだけ進化しても人間は人間です。昔から人間は他者同士の比較で自らのスキルや能力の優劣を判断してきました。それは今後も変わらないでしょう。
AIの進化によってこれから大勢のスターが現れ、ますます将棋界を盛り上げて欲しいなと思います。
参考文献
・藤井八冠が突き抜ける AI解析「一致率」「平均損失」 https://bizgate.nikkei.com/article/DGXZQOLM1431R014012024000000
・藤井聡太七冠は将棋AIを超えた…開発者が白旗「単純に強い」 16年から研究で腕磨く https://hochi.news/articles/20230617-OHT1T51291.html?page=1
・「特集」 将棋 藤井八冠 ゲームAI研究から判明した強すぎる秘密 https://www.kyodo.co.jp/col/2024-01-11_3829991/