ケース面接の対策は必要ない?コンサル企業が就活生にフェルミ推定をさせる理由
最近、書店でもケース面接の例題集やフェルミ推定の問題集などを多くみかけます。
コンサルタント業界などでもケース面接が行われることが多く、特定の企業の売上を推定させたり、特的の業界の市場規模を推定を面接中に聞かれることが多いようです。
そのため、ケース面接やフェルミ推定の対策をしっかりしている就活生も多いのではないでしょうか。この記事ではケース面接の必要性について探っていきます。
1. なぜ企業はケース面接を行うのか?
なぜ企業はケース面接を就活生にさせるのでしょうか。ケース面接を行っても、就活生が今までどんなことをしてきたのかは分かりません。
むしろ就活生に無言で考える時間を与え、就活生について知る機会を企業側が失っているといっても過言ではないのです。ケース面接は時間も手間もかかるのに、なぜ企業はケース面接を行うのでしょうか。
2.「考えることが好き」な就活生を企業は選びたい
結論として、企業がケース面接を行う理由としては「就活生がどれくらい考えることが好きなのか」を確認するためということがあげられます。
コンサルタントは顧客に提案をすることが多い職種のため、顧客に納得してもらえるような提案をするために一日中考え続けなければいけません。
そのため、そんな仕事をやり切ることができる、考えることが好きで好きで仕方がないという就活生を取りたいというのが企業の本音なのです。
この点から、考えることが好きな就活生を選り抜くための手段としてケース面接が使われています。
候補者が考えることが好きかどうかに加え、候補者がどのような考え方をするのかというような点にも企業は着目しているのです。
3. 実はケース面接で答えを出すことは重要ではない
ケース面接を課された時に、緊張と焦りから正しい答えを出そうと必死になる就活生は多いと思います。
しかし、面接官が知りたいことはあくまで候補者の思考法です。ケース面接は相手の思考法を知るためのツールでしかないのです。
そのため、正しい答えをだすこと自体が重要なわけではありません。これは、マッキンゼーの採用マネジャーを12年間務めた伊賀泰代さんの「採用基準」という本にも書かれています。
確かにフェルミ推定で自分がだした解答が実際の数字に近かったらそれは嬉しいことではありますが、間違ったロジックでも近い数字がでてくることもよくあることです。
また、正しい解答がある訳ではないので、答えが実際の数字と違っていたりしても問題ないのです。むしろ、なぜそのような答えになったのかという論理のプロセスを面接官は見ています。
「どうしてこのようなロジックになったのか。」、「ここはこのように考えても良かったのではないか。」面接官から飛んでくる質問に対して、自分の考えを伝えられればそれで良いのです。
そのため、回答が出なかったり、間違っていたりしても、それだけで面接に落ちるということにはなりません。
4. 面接で求められる素質は「思考力」
フェルミ推定で求められているのは、候補者の考え方のプロセスであることがわかりました。
それではケース面接を行っている企業で求められる就活生の素質とは一体何なのでしょうか。結論としては、高い思考力だと言われています。
思考力 = 思考スキル + 思考意欲 + 思考体力 伊賀泰代「採用基準」より
フェルミ推定がどれだけ上手く解けるかというのは「思考スキル」であり、いわば考えるためのツールを使いこなす力です。
このスキルは入社してからでも鍛えられます。そのため、面接官は候補者が入社後にスキルを身につけられるという確認が得られれば問題ありません。
しかし、思考意欲と思考体力に関しては今までの積み重ねであり、すぐには身につけられないものです。よって、この部分を面接官は重要視しています。
思考意欲とは様々なことを疑問に感じ、考えることです。「なぜ鳥は飛べるのか」、「なぜ空は青いのか」そんなことを考えてどうするの、といったことを考えるいわば好奇心のようなものです。
暇さえあれば何かについて考えているような人がこの思考意欲を持つ人としてあてはまります。
対して、思考体力とは精神的にも体力的にも考えぬくことができる持久力のことです。
考えるのには気力と体力が必要であり、答えのない問題に対してずっと頭を働かし続けるのはとても労力のいることです。
思考意欲と思考体力がある人は様々なことを深く考えてきています。そのため、面接でもその思考プロセスの片鱗を見せてくれるのです。
そういう人を面接官は選びたいと考えています。面接で判断されていることは、思考スキルが高いか低いかではなく、総合的に見て思考力が高く常に考え続ける続けることができる人なのです。
5. ケース面接への対策は必要なのか?
これまで、面接官が特に注目しているのは「思考意欲」と「思考体力」ということを述べました。
それでは、思考スキルを確認するためのケース面接への対策は必要ないのでしょうか。結論としては、そこまで準備する必要はないと考えられます。
程度の問題にもなりますが、ケース面接は特殊な選考方法のため、多くの企業の面接で使われる場合は少ないです。
効率的に就活を行うなら、一部の企業の面接にしか使えない思考スキルを鍛えるのではなく、思考意欲や思考体力などをアピールするための準備に時間を費やした方が良いかもしれません。
例えば、「バイト先で接客の改善方法を発見し、実践してみたら売上が上がった」だったり、「サッカーチームで練習方法を改善したら、試合での得点率が増えた」など、自分が問題を発見し、改善したアクションを話すことで思考意欲をアピールすることができると思います。
一方、思考体力をアピールするには、その問題解決に対してどれくらいの時間をかけたのか、またはその問題を解決をするためにいくつの解決方法を思いついて試したのかなどがあげられます。
もし面接までに時間がないということであれば、ケース面接に関する情報はおおまかにに調べて、今までの自分の活動を振り返ることが重要かもしれません。
余談ですが、Googleも入社後の活躍には関係がないとしてフェルミ推定を使ったケース面接には否定的な立場を取っているようです。
思考スキルを身につけるだけではなく、自身のキャリアに本当に役立つことを取捨選択していきたいですね。
6. 最後に
現在の就活においてケース面接への対策することが必須というような雰囲気があります。
さまざまなケース問題を事前に解いて、解法を頭の中に叩き込み、それをケース面接の際に吐き出すといったような「一夜漬け勉強」に似た対策が流行しており、就活は受験勉強の延長線ともいえるような状況になっていることが否めません。
この状況に「考える」ということは何かと、逆に考えさせられる人事の方もいるのではないでしょうか。
もちろん「考える」という言葉には様々な意味があると考えられますが、就活生が求められている「考える」力とは「答えのない問題に対して、現時点である情報を整理して、もっともらしい回答をだすこと」です。
今まで蓄えてきた情報の中から解き方を探すだけだと、準備はしてくる人とは思われても、考えることが好きな人とは思われないかもしれません。
ただ、面接官は就活生から出てきた解法がその人が考えたものか、記憶されたものなのか、確かめる手段はありませんから、面接官こそケース面接の問題をありきたりなものにするのではなく、ユニークで就活生の考え方が聞けるものする必要があるのかもしれませんね。
参考文献 ・採用基準: 地頭より論理的思考力より大切なもの ・『フェルミ推定は役に立たない?』メリット・デメリットや使う場面とは ・フェルミ推定はくだらない?例題と解答例を元マッキンゼーが解説